rusica
すぐに見つけるのは、難しいかもしれない。FREE FORMとROSIERの間に置かれた看板に従って、細い道を進んだ先にrusicaはある。古町の路地の奥にひっそりたたずむ名店、“ロジフル”のひとつだ。
スタッフは店長の小川さんただ一人。にもかかわらず、お客さんは数人のグループで訪れる女子高生や専門学校生が多いという。順番にカットやカラーをしてもらい、友達を待っている間は、テーブル席やソファでまったり。「女の子たちはずっとしゃべっていますね。おいしかったお店の話とか、彼氏のこととか。人の話を聞くのが好きなので『へえー、そうなんだ』ってずっと聞いてます」。rusicaのInstagramには、ヘアスタイルが完成したかわいい彼女たちの写真が並ぶ。
週に2回、病院の訪問美容にも出かけている小川さん。以前、高齢者施設でカットをした時に「私みたいなおばあちゃんなのに、すごくきれいにしてくれてありがとう」と喜んでもらったのをきっかけに、今も続けているという。「お客さんのリクエストに寄り添うのは、かなり得意だと思います」。髪質の悩みや、スタイリングで不便なこと。お客さんが納得するまで話を聞く姿勢が、世代を問わず、女性たちの心を開かせているのだと思う。