古町通5番町商店街 CINQUE

五番町今昔物語〜老舗の視点でひもとく、商店街の歴史〜 5/5

 

 

 

 

 

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「古町」の歴史は文字通り古く、およそ200年前の江戸時代からその名はあったと言われています。特に五番町では創業100年を超える店舗がいくつも存在。新しいお店とともに、商店街の中で営みを続けています。今回は、老舗3店舗による座談会。時代の移り変わりの中を歩んできた古町の歴史を振り返ってみました。今回はその5回目、最終回です。

■参加メンバー

竹ノ内 智光(竹長糸店)

長谷川 尚英(長谷久商店)

池 一樹(はり糸)

 

第5回 アーケードと商店街の絆

 

—アーケード建設にも苦労があったと聞いています。

 

竹長

六番町と七番町が先にアーケードを造ったんです。すると雨が降ると、お客さんがそこでUターンしてしまって五番町まで来ないんです。「アーケードを造らなきゃダメだな」と考えました。でもアーケードの建設費用を商店街で全額負担するのも容易ではなかった。ところが、振興組合を作ると国から補助金が出るということがわかりました。当時、五番町の組合はまだありませんでした。町内会長をやっていた小川屋さんの先代が、事もあろうに私のところに来て「振興組合をやってくれ」とおっしゃったんです。「勘弁してくださいよ」と断ろうとしたんですが、「お前さんは声が大きいから、交渉にも役立つだろ」と言われました。それで初代理事長にさせられたんです。

 

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長谷久

六番町と七番町には振興組合があったんですか?

 

竹長

振興組合があったから、補助金が出ていたんですね。いよいよ組合ができたし、アーケードを造ろうとなった時に、六番町と七番町の事例がとても参考になりました。設計屋さんに頼んで、設計と管理を丸ごとやってもらうと100万円単位のお金が必要になるんです。それできちんと設計してもらって、新聞広告を出したんです。「古町五番町でアーケードを造ることになりました。設計図はすでにできています。工事を請け負いたい会社は説明会に参加してください」と。17社来ました。それも地元ばかりじゃないですよ。東京の大手や、アーケード専門の会社も来てくれました。説明をした上で、各社から見積もりを出してもらいました。すると、一番上と下ではものすごく差があった。一番安い見積もりを出してくれた会社に発注しました。

 

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はり糸

私が新潟に戻ってきた1985年には工事が始まっていましたね。

 

竹長

苦労もありました。反対するお店もあるわけですね。「うちの所は造らなくていい」と言われるんだけど、そこだけ穴を空けるわけにも行かないでしょう(笑)。仕方がないので、私とはり糸さんのお父さんで一軒ずつ説得にまわりましたよ。ああいう時は一人じゃだめだね、二人で行ったほうがいい。すると向こうが根負けします。そして結局最後は奥さんですわ。「こんなに一生懸命やってくれてるんだから、協力してあげなさいよ」とご主人に言ってくれたので、何とか全てのお店からOKを貰えました。

 

—最後に、今後の古町五番町に必要だと思うことを教えてください。

 

長谷久

車でお買い物に来られるお客さまの利便性を向上させること。また、それぞれのお店の前の商店街歩道を自由に販促利用できるといいのではないでしょうか。もちろん節度ある範囲でということです。立地に関わらず、お客さまを惹きつけられる専門店街になれるように、各店舗の努力が不可欠になると思います。

 

竹長

山梨県に景徳院というお寺があります。旅行で訪れた時、本堂にあった小冊子を何気なく見ると、こういうことが書いてありました。「どんなに小さな、そしてどんなに山深い村にも、いつか誰かが残してくれた尊い人の心がある。そこに生きるものはたとえ時が流そうとしても、黙ってみていてはならない。そこには祖先たちの血があり、汗があり、叫びがあるからだ。故郷とはそういうものだ」と。これは商店街と読み替えても同じことが言えるんじゃないかと思います。商店街のみなさんとの絆が大事だと思いますね。この言葉で、私の本日の締めとさせていただきます(笑)。

 

はり糸

この後にもう喋れませんね(笑)。

 

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予定時間の60分をオーバーするほど盛り上がった座談会。古町や五番町の歴史を振り返ると同時に、個々のお店の歩みを知る貴重な機会となりました。時代や経済環境の変化に従って、変えなければいけないものは大胆に変える。でも、その根底にはいつの時代にも大切にするべき商売の心構えがあることをあらためて感じました。まず、お店が自らの魅力を磨くことが大切なのは、老舗であっても新しいお店であっても同じです。そして、そんなお店たちが集まることで相乗効果が生まれ、より良い商店街になっていく。そんな活気あふれる古町五番町をこれからもめざしていきます。

 

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