古町通5番町商店街 CINQUE

五番町今昔物語〜老舗の視点でひもとく、商店街の歴史〜 3/5

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「古町」の歴史は文字通り古く、およそ200年前の江戸時代からその名はあったと言われています。特に五番町では創業100年を超える店舗がいくつも存在。新しいお店とともに、商店街の中で営みを続けています。今回は、老舗3店舗による座談会。時代の移り変わりの中を歩んできた古町の歴史を振り返ってみました。今回はその3回目。

■参加メンバー

竹ノ内 智光(竹長糸店)

長谷川 尚英(長谷久商店)

池 一樹(はり糸)

 

第3回 インターネットと商店街

 

—伝統を受け継ぐ一方で、最近の取り組みについてはどんなことをやっていますか?

 

長谷久

商店街が寂しくなっていることは事実としてあって、しかも当店の場合はお客さまが高齢になっていて、若い世代のお客さまとの関係づくりも上手くいっていませんでした。そこで、何年か前からネット販売を始めたところ、伝統工芸品や木彫用品の需要が大きくなっています。しかも中国からの注文が多く、売上の9割に及んでいますね。ネット販売の場合は、顔の見えない層への対応とアプローチをどうするかが重要と考えています。ただし、最初はネットで買い物をしても、その次は電話や手紙、FAXでのリピートというケースも多いです。たとえば最初は息子さんや娘さんを通じてネット注文をして、そこからご本人が電話や手紙でという流れですね。そんなお付き合いも大切に育てていきたいと思っています。ネット販売をすることで、何十年も在庫になっていた香炉が売れたり、最近は南部鉄器のブームもありましたね。

 

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竹長

うちで扱っている毛糸類はインターネットじゃダメなんですよ。手でさわってみないと。お客さんはかならずさわってみて「あーやわらかくていいね」と言う。色もね、画面に出る色と実際の色は違うんですよ。昔は毛糸も単色だけだったけど、最近では色々な色彩が混ざったグラデーションも多い。その色がどう変化していくかを楽しみながら編むんですね。そういうお客さんが足を運んでくれるからありがたいですね。だんだん世の中が進歩してきて、もしも手ざわりまで再現できるようになったとしたら大変だなと思います。子どもの頃、携帯電話なんて想像もしなかったですもんね。商店街にわざわざ来てくれるお客さんたちは、会話を楽しみにしているんじゃないかと思うんですよね。そういうことも大事にしていきたいと思いますね。商店街に行くと楽しい、お店に行くと楽しい、ということを大事にしていきたい。

 

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はり糸

商店街の最近のイベントで当たったなと感じたのは、JAM(日本アニメ・マンガ専門学校)さんとコラボレーションしてお店のイメージキャラクターを作った企画。今の時代に合っていて、お店の色が出ていて、実際にお店の売上げにつなげやすいものでした。個店としては、こんなのがあったら楽しいな、こんなの食べたいなと自分で思うものを具現化していくしかないですね。

 

竹長

最近は若い人たちがあまりお店に来なくなりましたね。わざわざ自分で作らなくても、既製品を買えばいいわという意識なんでしょうね。私は終戦後、戦地から引き上げてきてから、うちの商売ってどのくらいご婦人の方々が興味を持ってるんだろうと思って調べたことがあるんですよ。「あなたは余暇があったら何をやりますか?」というアンケートを取ったところ、圧倒的に「手芸」が多かった。70%くらい。これはいい商売だなと思った(笑)。ところが、だんだん女性が外に出ていくようになると「ママさんバレーをやっています」「フラダンスの教室に通っています」という人が増えて、手芸なんてしなくなってきた。そんな風に時代が変わってきましたね。昔と比べると、女性がどんどん活発になってきたなと思いますね。

 

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