ササシン

レディースアパレルのササシンは、30代以上の女性をターゲットに、幅広い年齢層の顧客から愛されているお店だ。「エレガンスカジュアルをテーマに、カジュアルだけど大人の着方ができる洋服を取り揃えています」。今のお店ができたのは昭和29年のこと。数十年通う常連もいるそうだ。「毎月来ても楽しめるように、商品は一ヶ月ごとに入れ替えています」。お客さんから、こういった洋服が着たい、というリクエストがあれば、それに合わせて商品を仕入れ、シーズンが来たらハガキでお知らせをしている。

ササシンの顔とも言えるのが、ショーウインドーや店内に置かれたマネキン。レトロな佇まいが若者には新鮮に映るらしく、ファッションを学ぶ学生が写真を撮りに来ることもある。顧客からはダイレクトメールが好評。時事ネタを取り入れ、ユーモアを交えて描かれたイラストは、見るものを笑顔にする。

お直しにも定評がある。洋服は気に入ったがサイズが合わない場合には、体形に合わせて洋服を直すといったことも可能だそうだ。この道50年のベテランが、愛用の足踏みミシンを使って丁寧にお直しをしてくれる。ササシンには、細かな要望に応えながら築いてきたお客さんとの絆があった。